ろく
僕の構成部品をさらけ出すとなると、最初は、
気恥ずかしいが、僕の話になる。
前にも言った通り、僕は嘘つきだ。
最初に嘘を自覚し、人を偽ったのは、
僕が2歳の頃だった。
僕の母は、表向きはとても明るい人だ。
友達も多く、父ともそれなりにうまくやっている。父は、とても賢く、優しい人だ。
つまり僕は、所謂幸せな家庭に生まれた。
母方の家で育った為、そちらの親戚に会う事は多く、
その度に、母に似て、明るい子だねと。
僕は本来、静かな場所に居たい人間だ。
だが、それは許されない。
事情により早くに入れられた幼稚園も、母や祖母の知り合いで溢れていた為、
いつも騒ぐ様なグループにいつも振り分けられ、それらにあわせて笑い、散々だった様に思う。
2歳というのは、そういうやり方を覚えた時期であって、
それから、その性格を中学まで貫いていた。
やはりどこかで、人を拒絶しているのがばれるのか、一部には疎まれてこそいたが、
常に周りには、勝手に寄ってきては、
何もしてないのに親友だからと言われる様な存在にはなっていた。
我ながら、本当によくやった。
話したかった訳では無いが、
誰にも話せなかったから、毎日震える身体を抑え込んで登校する毎日だった。
遠慮無しに触れる様な人は怖いし、意味もなく殴ってくる母と教師と、それにサイレンも怖い。
今は、環境に恵まれている。
学校はコースの関係で、少人数であるし、皆が賢くて、無駄な揉め事なんかも槍が降らないと起きない。
独りで、好きな様に読書をしても何も起きない。
改めて、クラスメートに感謝しなければいけない。
こんな不出来な僕を、クラスメートとして受け入れ、
毎日を共にさせてもらえるのだから。