今夜は薬が無い。早めにYの元へ行くべきだったが、一歩も動けなかった。 最近調子がよかったせいで 要さなくなっていた憂鬱が、 また目を合わせてくるから、 ゆっくりではあるが、続きを書こうと思う。 僕らが会う夜は、予め決めてはいなかった。 不思議と会…

はち

最近、無気力である夜が多いから、 僕はなかなか話を続けられない。 Yは、それに関して何も言わない。 彼女はいつもそうであるのだ。良いとも悪いとも言わず、ただ、微笑むだけの。 今思えば、僕はあの時、自殺を試みていたのだ。 7歳の子供が、一般的な恵ま…

しち

つまり僕は、 そういう冷めた所のある子供だった。 それが関係するかは知らないが、 幼稚園児の頃から今まで、ずっとうまく眠れない。 無理矢理、睡眠薬を使って眠るか、 一晩中起きておくか…どちらかだ。 僕は薬は嫌いなのだが、 あまりに眠らないと、突然…

ろく

僕の構成部品をさらけ出すとなると、最初は、 気恥ずかしいが、僕の話になる。 前にも言った通り、僕は嘘つきだ。 最初に嘘を自覚し、人を偽ったのは、 僕が2歳の頃だった。 僕の母は、表向きはとても明るい人だ。 友達も多く、父ともそれなりにうまくやって…

医者の彼女が、僕に名前を文字にして教えてくれた。 聞いただけでは、意味がわからないだろう。 僕は別に何かしらの障害を持っている訳では無いし、 学校でも特進である事を根拠に、一応人並みにはできるつもりだ。 しかし、何故か不思議な事に、 音として聞…

保健室で横たわった僕は、折角来てくれたクラスメートとまともに話す気になれず、 ぼんやりと空間を見ていた。 気がついたら彼は消えていて、 どうでもいいかと思い目を瞑った所で、 またカーテンが開かれた。 足音が担任の男教師のそれだった。 寝たふりを…

さん

夜中に死にたくなるのは、僕だけか。 いちで書いた事への答えは、わからない。 それに、知りたくもない気がする。 過呼吸を起こして、初めて僕は気を失って、 お決まりの様に、保健室で横にされたまま目が覚めた。 特に何かを考えた訳では無いが、 嫌な汗と…

普段は午後に行くが、 僕はどうしても憂鬱になってしまうので、 たった今、医者に会ってきた。 何故、気鬱になるのが午後に酷くなるのか、 自分の事なのに、僕は知らない。 彼女に、この文章が在る事を言い、 それから、既にやめたくなっているという意思を…

いち

先ず、僕があの忌まわしい教師に 生まれてはじめて保健室に連れていかれた理由を。 それがなければ、こうはならなかった。 逆に、どうして今までうまくやっていたのに、 今更ぼろが出たのかを知りたい。 気が緩んだのか。 何か、他人に揺らがされたか。 後者…

成り行きから。

誰に言うつもりでも無いが、書いてみる事にした。 医者が、言ったから。 僕は、言葉や文字が好きだから。 つまりこれは、ただの手段に過ぎない。 好きなものを、意味を持たない道具として使う。 いつまで続くのか、検討はつけない事にした。 終わった要因と…